残骸

映えない人生

一生無理宣言

 

今日はようやく美容院に行ってきた。

カラーカットトリートメント、フルコースでしてきて生き返った。だがしかし髪を切りすぎた気がしてならない。そわそわしてしまう。色も暗くしたので、本当に昔の自分に会ったような気持ちになった。あの頃の私が今の私を見たらなんと言うだろう。なんと言ってきてもうるせえ今の方が楽しいから黙りなと言って黙らせる。

 

しかし美容師という生き物はどうしてあんなに仕上げのオイルの量が多いのだろう。確かに濡れ髪質感がトレンドなのはわかる。しかしあれは可愛くておしゃれな女の子専用のものだ。ブス〜普通の女はサラサラでなければ勝負出来ない。しかも今日は本当に雨が降っていて、風も強い。濡れ髪質感作るまでもなく濡れるのだ。天然濡れ髪が完成する。

オイルのせいでぺったりとなって、帰ってからも思うようにスタイリング出来ずめちゃくちゃストレスになった。そしてオイルは量を間違えると数日間髪を洗っていない人のようになってしまうアイテムなので本当に気を付けてほしい。今度からはオイリーにされそうになったら「いえ、私はノンオイルで」と言おうと思う。私におしゃれアイテムは不要。

 

 

買い物でもしようか、と思っていたのに雨も風も強くなり、断念した。そしてオイリーな髪でむしゃくしゃしながら帰った。そんな時また胸糞案件を思い出しイラついた。

 

というのも、数日前。

 

 

嫌いな社員にthe GazettEの音源を渋々貸し、それが返ってきた。返す際に「これ、ほんの僕の気持ちです」と言ってきたので(ああ、お菓子でも入れてくれたんかな?)と思った。

「ほんの気持ち」と言うくらいだから、普通は相手に迷惑にもならず、気遣うこともないちょっとしたお礼のものを想定するだろう。しかし袋にはプラスチックケースが見える。なんだか重みもある。

 

 

 

 

 

 

最高潮に嫌な予感。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その予感は的中。

中にはCDが入っていたのである。しかも3枚。

「これは…?」と聞くと「僕のおすすめのCDです!^_^」と自信満々に答えるそいつ。この時点でもう中指おっ立てそうになった。

しかし怒る気持ちを懸命に抑え、「えっ、と、、これはどうしたらいいんですか…?」と聞いてみた。もしかしたら複数枚持ってるからくれるものなのかもしれない。オタクは布教用に何枚も持っていたりする。

 

「あ、僕と同じように返してもらえれば!^_^」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

こっちが頼んでもいないCDを強制的に渡され、聴いたらまた持って来いと???いやお前が貸してと言うから貸しただけでお前の興味のある音楽や好きなアーティストには微塵も興味がないしなんなら3つの中で2つはもう既に聴いたことのあるバンドで、全く新鮮味はない。しかももう1つに関してはもう既に解散しているバンド。何故そんな未来のない音楽を渡してきた?絶対にないが万が一ハマったらどう責任取るんだよもう「これから」なんてないんだぞ。

 

そしてその渡された3枚が「the GazettEのファン」である私が好きそうというチョイスでもないことがまた腹立たしい。the GazettEの感想言われた時も音楽用語をベラベラと並べられて、本当にthe GazettEの音楽がよかったわけではなく自分の音楽の知識や感性をひけらかす為にthe GazettEを使われたようで本当に不快でしかなかった。

しかも何がムカつくって、いやもう何もかもがムカつくのだが、本人が「良いことをしている」という気でいるところだ。僕のおすすめも聴けてうれしいでしょ?音楽トークできるでしょ?と言わんばかりのスマイルを向けられて私はよくその場にあるカッターナイフを持ち出さなかったなと思う。この時「むしゃくしゃしてやった」という気持ちが痛い程わかった。

あとこの場合「僕のほんの気持ちです」という前置きは明らかに間違っている。ほんの、ではなくダイナミックに迷惑な気持ちで困ってます。そもそもこの時代にCDの貸し借りなんて面倒なことはしないでもYouTubeにいくらでも違法アップロードされてるだろうと思う(ダメ)

この時代にCDの貸し借りをしていいのは、同じクラスだけど今まであまり話したことはなく、ひょんなことから音楽の趣味が似ていることを知って仲良くなり、帰りにCDショップに立ち寄り、放課後 夕暮れの教室で語り合ったりなんかして徐々に親睦を深めていくうちにお互いを恋愛として意識するようになった学生たちだけだ。それ以外は甘酸っぱくないからダメだ。

 

ありがた迷惑、なんて可愛い表現では済まされない。もっとビッグスケールな迷惑。胃がムカついてくるほどの不快感。煮えたぎる殺意。無理のパンデミック。こいつアレルギーは手洗いとマスクで防げますか?

 

 

 

 

 

…と、帰り道でこのCD3枚のことをふいに思い出し気が重くなった。断れなかったからサラっとでも聴かなくてはいけない気がしてしまう。感想を聞かれたらどうしようという思いがあり、テキトーでもいいから聴かなくては…と。

感想なんてそれっぽく言えばいいだろうと思うかもしれないが私はこの類の嘘が大の苦手で、本当に下手なのである。何故かはわからない。ちゃんとつける嘘もある。でもやってないことをやったと言ったり、演技しなくてはいけない場面で本当に下手になる。(ぶりっ子の演技とかは出来るのに)

 

だから「嘘ではない」程度にしておかなくてはいけないのだ。しんどい。何故私が望んで貸してもらったCDでもないのに、こんな思いをしなければならないのか。

 

帰りのタクシーの中で憂鬱になっていたら、

運転手のおじいちゃんがそっと声を掛けてくれた。

 

 

「おいしいアメをあげます」とそっと出してくれたのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

しかもそれはヴェルタースオリジナルで、私は29歳でした。その味は甘くてクリーミーで、こんな素晴らしいキャンディをもらえる私はきっと特別な存在なのだと感じました。